すべての子どもたちに
必要とする体験を届ける
届けたい想い
現代社会において、子どもの貧困や教育格差は深刻な問題として顕在化しており、経済的困窮や不登校の状態にある子どもの数は300万人に上ると推定されています。特に懸念されるのは、特定の層での課題の重複と、それが世代を超えて連鎖することで格差が拡大している現状です。
この問題の根底には、これまで見過ごされてきた「体験格差」の存在があります。日本では、家庭環境、特に親の学歴や収入が子どもの体験機会に大きな影響を与えているというデータが示唆しています。こうした体験機会の有無が、子どもが将来、自分らしく生きていくために必要な能力の形成に深く関わることが明らかになってきました。具体的には、自己肯定感、対人コミュニケーション能力、そして答えのない問いに向き合う力といった、体験を通じて育まれるはずの非認知能力の重要性が増しています。社会の急速な変化、例えばデジタル化やICT化の進展によるホワイトカラーに求められる能力の変化、あるいは複雑化する社会構造の中で合意形成し、協調しながら課題解決に取り組む力は、教科の学習のみで養うことは困難です。実際に、就職において学歴以上にソーシャルスキルが重要視される傾向や、AO入試で良質な体験と思考力・表現力が求められる時代になっていることからも、その重要性は明らかです。
しかしながら、現代において、こうした力に繋がる体験機会は、かつてのインフラ的な提供からサービスとしての提供へと移行が進んでおり、結果として家庭環境による差が生じやすくなっています。この現状を踏まえると、「体験機会」を困難な状況にある子どもたちに届けることは、彼らがその困難を乗り越え、自分らしく生きるための強力なレバレッジポイントとなると私たちは考えます。
残念ながら、社会全体で見れば、家族でのキャンプや美術館でのアート体験といった活動は、いまだに「遊び」や「贅沢品」という認識が根強く、学校、地域、行政において、困難を抱える子どもたちの体験機会を十分に保証するサポートが行き届いているとは言えません。
私たちは、長年にわたり民間企業、教育業界、ソーシャルセクター、そして研究機関それぞれの立場で「子どもと体験」の問題に向き合い、共通の問題意識を抱いてきました。この度、そうした専門知識とネットワークを結集し、下記の活動を通じて、「体験が大事」という認識を社会の当たり前に変え、多様なステークホルダーが一丸となって、これからの社会を自分らしく生き抜くために必要な力を備えた子どもたちを増やすことを目指します。
理事長 安部 敏樹
事業について
体験プログラム実施
経済的・環境的要因等により体験機会が限られている子どもたちに対し、多様な分野の体験プログラムを提供します。
データ収集・分析
提供した体験から得られる子どもの変化や成長に関するデータ、および関連する研究知見を収集・分析
政策提言
体験格差の問題とその解決の重要性について、広く社会に啓発活動を行い、政策提言を通じて体験機会保障のための社会的な仕組みづくりを促します。